「堺町御門前 平七」がお届けする有職小物は、
十二単などの装束を仕立てる伝統的な技をいかして誕生しました。
本来は女房装束(にょうぼうしょうぞく)または、唐衣裳装束(からぎぬもしょうぞく)という女性の正装です。伝統にのっとり脈々と受け継がれたお仕立ての後その裂(きれ)より、教養と感性によって磨かれた日本の伝統美を、絹のぬくもりと共に、少しずつではございますが、大切にお届けいたします。
布の切れ端に薄く糊を引き、紙縒りのように丸め込むというお装束独特の端の処理のことをいいます。
裏地を表地より出す仕立ての事で、裏と表または、幾重に重なる色の移りかわりを襲(かさ)ね色目と云います。
桧扇は文字にもあるように薄い桧の板を束ねたものです。束ねる板の枚数は一橋(いっきょう)・二橋(にきょう)と数えます。「平七好みの桧扇」は、23橋からなり、要(かなめ)には手彫りの蝶と鳥を施しており、小さくとも本物の趣です。
本来の桧扇よりも飾りやすい大きさでお作りしております。
平安貴族の中で生まれた宮廷装束は、時を超えて今なお人々の憧れであり、日本の大切な文化の一つです。そこに彩られる有職文様は、繊細な日本人の感性によって、磨き抜かれた日本のデザイン美です。
自然の物を丸い形に表現した文様。写真は又木文(またぎもん)という又になった木を組み合わせたといわれる文様ですが、他にも向蝶文(むかいちょうもん)や雲鶴文(うんかくもん)などがあります。
装束の単には菱文がよく用いられます。中でも女房装束の単には、大小の菱型の唐花を配した幸菱文(さいわいびしもん)が非常に愛されてきました。
上に沸き立つ曲線の枠の中に自然の物を配した文様。雲の文を配した雲立涌文(くもたてわくもん)はその代表的な文様です。
自然のものを斜め掛けに配した文様。鳥襷文(とりだずきもん)は尾長鳥を襷がけに配し、その中心に唐花をあしらった文様です。